コンプレッサの負荷は運用している環境により大きく変動します。
多くの工場ではコンプレッサ室を設けているが、夏場になるとコンプレッサ室が暑くなり、給気温度が上がり、
コンプレッサの負荷が高くなる傾向があります。
このような負荷の高い状態で運用を続けていると、コンプレッサの稼働が停止し、生産に影響を及ぼす原因となります。
一年を通してコンプレッサに負荷のかからない環境を整えていくことが大切です。
目次
①工場内にコンプレッサを設置している工場の事例
施工前は、コンプレッサが室内に設置してあり、夏場には吸い込み温度が45℃を越えて停止してしまっていました。
排気ダクト&断熱材を設置したことで、雰囲気温度を低減し吸い込み温度を低減できました!
コンプレッサ室内の温度低減事例
コンプレッサ室全体が暑くなり、夏場に停止やトラブルが発生していました。
コンプレッサ室の給排気のバランスを計算した上で、排気ダクトの設置&断熱材を施工して、
改善しました。施工してから一度もコンプレッサが停止していません!
③コンプレッサの使用環境のチェック
コンプレッサの環境が適切でないことがよくあります。
吸い込み口のフィルタに 埃、塵、ごみが溜まる… |
必要な給気が 足りていない… |
排気ダクトが接続されて いなくて、熱がこもる… |
排気ダクトに断熱が できていない… |
夏は吸い込み温度が 上がり、増エネになる… |
夏は室内が45℃を 越えて、機器が止まる… |
コンプレッサ室がなく、 温度管理ができない… |
工場内にコンプレッサを 設置している… |
下記のチェック表を参考に今お使いのコンプレッサーの使用環境をチェックしてみてください。
✔ | 設置環境 | 備考・理由 |
コンプレッサ専用室を設置している | 熱源やオイルミスト・粉塵が出る装置のある現場に設置しない | |
周囲温度は0℃以上(冬期) | ドレン凍結により圧縮機各部に作動不良が発生する | |
周囲温度は40℃以下(夏期) | ベアリンググリスの劣化やピストンリングの摩耗を早め、 寿命低下や破損事故の原因となる 周囲温度45℃以上で異常警報がなり、強制停止する |
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天井は本体から1.5m以上高い | 導入した外気とコンプレッサから排出された高温の排気と 混合される前に熱い空気を吸い込む |
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コンプレッサ間は1m以上の間隔がある | ||
換気扇が高い位置にあり、室内の給気口は本体の 吸い込み口側の低い位置にある |
室内の給気口から、換気扇までの空気の流れを作り、 コンプレッサ廃熱(エアドライヤ廃熱含む) を排気することができる |
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コンプレッサ室の給気口から排気口までの 空気の流れの途中にコンプレッサがある |
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排気ダクトは断熱あるいは遮熱している | 排気ダクトからの放熱で室内の温度上昇を招く | |
湿度の低い場所である | 雨水がかかったり、湿気の多い場所(湿度85%以上)では、 漏電や火災事故を起こす危険がある |
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空気中に含まれる水分が多いとドレンとして凝縮し機外に 排出され、圧縮空気の量が減少する |
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近くに爆発性ガス・引火性ガスがない | 圧縮の行程で爆発や引火を引き起こす原因となる | |
近くに腐食性ガスがない | コンプレッサの寿命低下の原因となる | |
粉塵・ゴミ・塵・埃・オイルミストがない | 鉄粉・研磨粉・木屑などを吸い込むと、吸い込み口フィルタの 目詰まりによる性能低下や圧縮機内部の異常摩耗による破損事故の原因となる |
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床が水平で基礎がしっかりしている | 設置が不安定な場合、異常振動や異音が発生する | |
ダクトの一部は取り外しできる | ダクト内の清掃、本体の移動を考慮する | |
エアドライヤの廃熱は強制換気しない | 過冷却となり内部のドレン水の凍結の原因となる | |
負圧にしない | 負圧になると換気扇の前後に差圧が発生し、設定通りの換気量が得られない | |
全体換気の場合、コンプレッサ室の必要給気量=必要換気量+吐出し空気量 必要換気量=(据付台数×1台あたりの発生熱量MJ/h)/0.00126×△T×60(※許容温度差は一般的に5℃程度) |